ちょこママnz

ニュージーランドでいろいろ感じること、ハッピーだなと思うことを書き留めたい。

事実は小説より奇なり、を実体験

前回の4つのポストはだんながBPPV(めまい)で緊急病院に運ばれた話だった。とっても心配した。だんなのことも、息子のことも。だって、今まで何の心配もしなくてよかった健康なだんなが救急車で病院に行くって、実はかなりショックだった。きっと息子も大ショックだったと思う。しかも、4年前は私が乳がんの告知を受け、手術をした。両親が大きい病気って、息子の心は大丈夫かな…。

でも、すごいタイミングで笑える事態が発生し、なんか深刻モードが、一気にお笑いモードに変化するすごい出来事が。私も息子も緊張していたが、この出来事でかなり肩の力が抜けたのだ。

それは、だんなが救急車のストレッチャーでベッドが空くのを待っていた時。目の前のカーテン付きの個室に赤いストレッチャーに乗せられた男の人がいた。あー、この男の人も隊員が付き添っているからつい今しがた到着したのかな、となんとなく見ていた。

看護士が「ベッドが空いた。とりあえずスタッフ・エリアのパーティション横につけるからストレッチャーから移動させるわ」と。そのベッドへと移動しようと動くと、赤いストレッチャーの男の人も移動するようで「先に通してください」と彼の隊員が割り込んできた。男の人の後を私と息子が、そしてだんなのストレッチャーが続く。

だんなの隊員が「あの人はさっきヘリで着いたのよ。どうやらバイク事故みたい」とだんなと話していた。

男の人は皮のブーツを履いていて、でも、白いテープで両足をぐるっと止めてある。皮ジャケットを着ている。ふとジャケットの肩のマークに目が留まった。キツネみたいなイラスト。あー、そう言えばだんなの友達のIも同じ肩マークが入ったジャケット着てたなー。まさかね。でも、頭を見て「これはIかも」と思った。だって、剥げてたから。

息子に「Iだと思う。お母さん、聞いてみる」と人間違いだったら、絶対に失礼な状況だけど聞かずにはいられなかった。少し小走りして、ストレッチャーの男の人に「すみません、Iじゃないですか?」と聞いた。「へっ?」と言う声と同時に彼が少し後ろを見た。隊員も驚いた様子。

「なんで、ちょこがここにいるの?えー????」と彼が言った。あ、やっぱりIだ!

「あなたのメイト(ダチ)のだんなが救急車で運ばれたのよ。後ろにいるよ。」

「オー、ノー」

「あなたはどうしたの?」

「バイクで事故って怪我をした」

そして、だんなに「ね、Iだよ。信じられない。一緒に緊急病院にいるよ!」と言うと、だんなもびっくりだと言うのが表情に出ていた。しかも、バイク事故、大丈夫か?だけど、なぜこのタイミングで、しかも、ストレッチャーに乗って仲良く一列で移動してるんだ!

私が、興奮してだんなの隊員に「だんなの友達がいる!あのストレッチャーの人!」と言うと、まさか?!の表情。そして、「何なら、あなた達お隣同士になるようにお願いしたら」と笑って言った。

私たちはすぐにパーティション横のベッドのところで止まった。Iに手を振って別れる。彼は、もう少し先に行った大きめの個室に入って行った。

だんながベッドに滑りながら移動した時だった。「うぎゃ~~~~~~~~!うぉ~~~~~~!おぉ~~~~っ!」と言う叫び声がした。どうやら、Iが入って行った個室からしている。想像するに、多分ブーツをとっているのではないか。バイク事故と言えば骨折がつきもの。痛いだろうなー、だけど、あんなすごい叫び声初めて聞いた。しかも、40代の男性でも痛さに耐えがたく叫ぶんだ!

小柄な看護士が小走りでボール紙で作った添え木みたいのをもってIの部屋のカーテンをあけて入って行った。頑張れ、I!

こんな偶然、なんだか信じられない。緊急病院。救急車。この日、この時間、しかも、ストレッチャーの前と後ろ。一つでも何か違ったら絶対に気づかなかった。ひゃー、こんなのあるんだ。心配で緊張&興奮が、信じられない偶然に大興奮に変わった。

そして、長ーい待ち時間中、お互い個室を移動させられた。Iが「お前が見えるよ」とテキストをよこし、だんなも「あ、本当だ。斜め向かいの個室だね」と返事をしていた。よかったね、お二人さん。寂しくないね。あははー。

神様、こんな偶然ありがとう。きっと、息子が心配しないでいいようにお笑いにしてくれたのかな。Iも骨折だけでよかったね。

事実は小説より奇なり。本当だ。

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Iの肩マーク。フォックス。これが右肩にあり、以前にハグした時に印象に残っていたのだ