うちには「エルビス」と呼ばれているアヒルの人形がある。これ。
上に上がった髪。
どうだ、横からもかっこいいだろう
実は、この人形、ドイツで私のがん治療のあと3週間の療養&リハビリを受けたときに息子が作ったもの。
ドイツでは、大きな手術、大きな怪我(骨折など)や精神的に大変な思いをして治療をしたときに3週間の「クア」と呼ばれる療養の権利がもらえる。私が入っていた保険で受けたのは、「3週間、親とこどものクア」だった。
3週間、北の海辺でのクア。
私も受けたいと思っていたが、最初は本人だけかと思い躊躇したが、子供も連れていけるクアがあった。そうだよね、親が病気になったら子供も影響を受けるから一緒に療養って素敵な考えだ。息子と一緒なら私も安心して家を留守にできる。
私は掲示板に書いてある色々なレクレーションは読み解けないので、他の参加者の人に「あれ、いいの持っているね、どうしたの?」と聞くと、「2ユーロ出してクラスに参加した」と、夕方の自由時間に毎日レクレーションがあることを知った。
そこで、勇気を出し「うちの息子も参加させてください」と行ったのが、ウールで作る動物クラス。卵型の発泡スチロールにグサグサとウールを針で指してくっつけるのだ。
ここでも息子は英語しか話さなかった。それでも、親子で「英語しか話さない人」(私は拙いドイツ語を一生懸命使った)と言うことでもクアに参加させてもらえたのはありがたかった。本当に感謝。
ところで、そんな息子だったがこの動物クラスの先生にはすぐに打ち解け、「ほら、これ作りました」と見せていた。お~、いい感じじゃん、息子。
先生が「あら~、皆さん見てください、アヒルですよ。ほら、羽まで付いている!」と言うと、息子は自慢気に「下には足もついてます」と自らみんなにアヒルの足を見せた。そこで、みんなから「お~」っと言ってもらえた。
うん?しかし、このアヒル、誰かに似ている。
この上に巻いた髪。
うん?もみあげ。
あ、エルビス・プレスリーだ!
それからアヒルは「エルビス」と家では呼ばれている。
そして、最近、私がエルビスになってしまった。
長くなったので、次に続く。